ブラッディー・ヒル・シャルドネ [2013] メイヤー

ブラッディー・ヒル・シャルドネ [2013] メイヤー

ブラッディー・ヒル・シャルドネ 2013 メイヤー 1999年の創設以来、ティモ メイヤーは一貫してクラシックなブルゴーニュ品種を魂賭してきました。

時にシラーやカベルネ ソーヴィニョンに彼の浮ついた性格が心を許すようですが(笑)。

シャンパーニュのいくつかのメゾンがニューワールドでワイン作りを行う際にヤラ ヴァレーをその土地に選んでいることから、同地がともかく冷涼気候であると思い込んでいるプロフェッショナルは世界中にいますが、リアリティは全く違っています。

海抜5m程度から400m以上も高低差があり、南北によって谷を沿って吹き込む南極海からの風量に劇的な差があるために、一言でヤラヴァレーと言っても収穫されるブドウの品質や土壌の差異には大きなギャップがあります。

そしてシャルドネやピノノワールの質を追求する醸造家は海抜の高い「アッパー ヤラ」でのブルゴーニュ品種栽培に拘るものなのです。

2014年の記録的不作はティモの畑でも悲劇を巻き起こしました。

花が咲き辛く、圧倒的な結実の悪さを予感した彼は一つの決断を下します。

それは全ての畝で果実を例年の更に半分まで減らす事。

それは我が子を千尋の谷へと突き落すよりも辛く、同時に明るい未来を心の底から信じる事が出来なければ到達できない決断でした。

結果生まれた著しいミネラルとエネルギー。

類稀なる液体が誕生しました。

ドイツ系移民であるティモ メイヤーはオーストラリア産ピノ・ノワールの究極と言われているGembrook Hillジェムブルック ヒルのチーフワインメイカーともよく知られていますが、彼自身の名を冠したワインをリリースするようになったのは1999年のことです。

ティモは人間の欲望が剥き出しになったなった様なインスピレーションの男です。

食欲や睡眠欲を貪り、綺麗な女性には目がありません。

小太りなうえに禿げ上がっていますが笑顔が人懐っこく、まるで悪戯好きの少年のように落ち着きがなく、猥談が大好きな「オッサン」です。

数年前に来日した折には六本木の交差点を歩く沢山の女性達を見て「ここは天国だ!」と叫んだ愛すべき「オッサン」なのです。

パーソナリティを知った上でティモのワインを味わうと、その驚くほどの緊張感に満ち、エレガンスの極致ともいえるスタイルに感動すら覚えます。

美しく保たれた雰囲気の裏側に潜むほんの僅かな狂気。

透き通るような果実感と共存する極小のタンニン。

そして彼のエロティシズムを反映したかのような揮発酸。

ティモ メイヤーのワインは紛れもなく彼そのもです。

ヤラ ヴァレーの中でも南側に位置し、特に冷涼なブラッディーヒルで密植されたブドウ樹のポテンシャルを最大限に引き出すために彼がグレドとするのは人間の介在を極小に留める事。

ボトリングまでSO2を一切使用していないとはにわかに信じられないようなワインを生み出す人間味溢れるメイヤーの真骨頂です。

タイプ 白ワイン ボディ ミディアムボディ 原産国 オーストラリア 味目安 辛口:★

原産地   内容量 750ml アルコール度数 15度未満     生産者 メイヤー ぶどう品種 シャルドネ



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